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2010年09月

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『sakava空き家』

中学生のころ住んでいた片田舎に、ぼろぼろの空き家があった。
二つの山を切り崩して出来た新興住宅街の谷間に立つその家は人が住まなくなって長いらしく、窓が破れて戸が外れ、建物全体が蔦に覆われて、まるでそれ自体が静かに朽ちるのを待っている巨大生物のように見えた。
まだ駆け出しのヤング(ギャングではない)だったわたくしはその建造物に興味深々で、暇を見つけては家の周りをぐるりとまわったり、低い垣根から庭を覗き込んだりしていたものの、なんだかその緑の中に孤立した存在が怖いようでもあり、なかなか中に入ることができないでいた。
それでもある日、春の陽気に誘われて午後の校舎を抜け出したわたくしは行くあてもなく、それじゃま、ひとつあそこにでもイッテQ。あるいは渡辺篤史の建もの探訪。かなんか言いながら、近年まれにみる立派な及び腰でもって、恐る恐るその家屋への潜入を開始したのである。
壊れた引き戸をくぐって中に入ると、室内は思ったよりずっときれいだったけれど、それでも人間の生活空間を植物が浸食しつつある、不思議な匂いがした。
窓の多い廊下をそっと歩きながら居間と思しき部屋に入り、庭に続くサッシを開けようと手を伸ばすと、背後からガタリと物音。ふゃあぁ、などと声にならない悲鳴を上げて逃げだしたのだけれど、なんだかんだでわたくしはその場所が気に入ってしまった。
結局、その年の春から夏にかけて、わたくしはちょいちょいその家に入り浸り、縁側に寝そべってお気に入りの小説を読んだり、「みそしる」の「そし」って何だろう、とか意味不明かつ奇怪な事を考えたりして、のんびりと長い午後を過ごしたのである。
そこには木々を縫って差し込んでくる柔らかな陽光と、庭先に見える小さな池と、学校から盗んできた平和で潤沢な時間があった。
今考えてみると完全に不法侵入なのだけれど、まあ時効なので許して下さい。

先日、駅前の裏路地を歩いている時に「空き家」と言う店を見つけるまで、そんな出来事はすっかり忘れていた。
突然蘇った記憶になんだか懐かしいような気持ちになり、その店にお邪魔することに。
路地をビニールのカーテンで仕切った店内は狭いけれど活気があり、店員さんの元気も良い。
料理もおしなべて美味しく、ふーむ、かなり良い店だねえなどと満足して店内を見回すと、ふと記憶の中のあの「空き家」が、何かの奇跡でもって束の間の活気を取り戻したかのような、既視感にも近い不思議な感覚を覚える。
路地裏の静けさと、店内のにぎやかな雰囲気の混淆が、そんな風に思わせたのかもしれない。
何にせよ、酒を飲みながら少年時代の事を思い返すというのは、なかなか心地の良いものです。上手く言えないけれど。

しかし、この歳になってこんなこと言うのもなんですが、機会があったらもう一度ぐらい学校さぼって散歩してみたいなあ。

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セロリとザーサイの浅漬け、300円。大人の味。

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かつおたたき、450円。

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チーズ豆腐、630円。
はちみつとクリームチーズがとてもよく合う。

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豚シャブ揚げ茄子、480円。

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煮込、480円。トマトの酸味と味噌の風味が良い。

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混ぜソバは玉子の香りの強い麺にしっかりした味付け。
〆に食べるのにちょうどよい感じです。んまい。

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「卵KAKEご飯」には卵が4つついてくるのだけれど、さすがに全部は使いませんでした。
燻製醤油と燻製オリーブオイルの香りが良い。

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ビニールカーテンを一枚隔てた裏路地から伝わってくる雰囲気が良い。

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住所:杉並区高円寺北3-22-17
category:居酒屋

『あかちょうちん』

貧乏学生時代、バンドの練習やら古本・古着屋めぐりやらで高円寺に来ると、「んじゃま、帰りにちょっとあかちょうちんでも」というようなことになる事案が、頻繁に発生していた。
他にも居酒屋の豊富な高円寺で何故あかちょうちんがよく選ばれたのかと言うと、それはまず価格が圧倒的に安かったからである。
といっても、料理は高円寺の平均価格からしたらまあ普通というか、ぼちぼち安い程度なのだけれど、ここはなんせ酒が安かった。
夕方はサワー一杯100円とか、10時半以降のナイトタイムは飲み放題2時間490円とかアホみたいな値段で、さらにボトルはほとんど酒屋で買うのと変わらない値段設定だったように思う。いかに効率的に酔っぱらうかを人生の主なテーマとしていた当時のわたくしにとって、これ以上有難い店は他になかったと言ってよい。
また、「あかちょうちん」と書かれた外看板の、一見墨書き風のロゴが、何故か昔のBrutal Truthやnapalm deathのロゴを彷彿とさせる刺々しい字体であった事も、当時やさぐれたバンドマンだった我々の店選びに影響していたかもしれない。いや、していなかったかもしれない。多分、ぜんぜんしてない。
まあそんなこんなで、ここには随分とおせわになりました。
最近とんと御無沙汰だったのだけれど、本年9月29日をもって営業終了とのことで息せき切って駆けつけました。
相変わらずの雰囲気と、妙に美味い台湾料理がとても懐かしかったです。
24年間の営業、ほんとにおつかれさまでした。
そしてさらば、学生時代の自由と放埓と酩酊の日々よ。

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台湾腸詰、480円。甘みと八角の香りが台湾っぽくて好きな味。
学生時代はこれ一皿で何杯も酒を飲んだような気がする。

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生野菜サラダ、350円。

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水餃子、380円。

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えび玉子チリソース、380円。
意外にちゃんとした中華というか台湾料理の味です。

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炒米粉、450円。塩味と乾燥海老の味がとてもよく馴染んで美味い。

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ここともお別れか。残念。

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この「あかちょうちん」の書体がデスメタル/グラインドコアチックでよい。


住所:杉並区高円寺北3-20-24
category:居酒屋

『大角玉屋 高円寺店』

先日のまだ暑い日、我が家にお客様が来るというので、いっちょ茶菓子でも用意して迎撃すっか、ってな感じで、ジム上がりに大角玉屋へ。
甘味世界の事情には疎いのだけれど、いちご豆大福の老舗だそうで。
涼しげな菓子を選んで持ち帰る。
なんか、大人になったなあ。

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包みはこんな感じ。

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水ようかん、180円。コーヒー水華、180円。
どちらも甘さ控えめで美味し。

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住所:高円寺北3-24-13
category:洋菓子・甘味
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