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鶏頭はこう言った。

学生時代、フリードリヒ・ニーチェの後期代表作「Also sprach Zarathustra」を新潮文庫で読んだ。
だから頭にある邦訳タイトルは「ツァラトストラかく語りき」であって、いまだに岩波文庫の並ぶ書架で「ツァラトゥストラはこう言った」というタイトルを目にしたりすると非常に違和感を覚える。
というか、もうちょっとありていにいうと、かっこわる、と思う。
これはもう完全に好みの問題なので異論のある方もおられると思うけど、のっけから「ツァラトゥストラはこう言った」なんて調子で始められると、冒頭の有名な挑発的文句である「神は死んだ(Gott ist tot)」とかも「神さまは死んじゃった」みたいな感じで訳されてるんじゃないかと不安になる。
まあ翻訳物の哲学書は単純な論述にもわざわざ小難しい言葉を使って人をいらりとさせたりするので、これぐらいでちょうどよいのかもしれないけど。

書籍のタイトルでいえば、J・D・サリンジャーの「The Catcher in the Rye」は野崎孝訳で読んだので、読後にちょっと混乱した。
だってホールデンは(おそらくは自分と同じような深みに落ちてしまわないよう)子供たちを捕まえてあげたい、と言っているのであって、「ライ麦畑でつかまえて」というタイトルでは主客が転倒してしまっている。
もちろんホールデン自体が純ながきんちょなので、本当に「捕まえて」欲しいのは自分自身の危うさである、という心の底の希求を汲み取った訳と考えられなくもないのだけれど、そういうのは作者がやるべき作業で、もしサリンジャーが必要と感じたならそうしていたはずだ。
英語と日本語ではタイトルに向く語感というものが違うのだろうけれど、いずれにせよ訳者が意味合いを変えてまで創意工夫をこらす部分ではないんじゃないかなあ。

まあ上のような作品に対しては個人的な思い入れが強い分、タイトルに対してセンシティブになってしまっているのかもしれないけど、タイトルの蹂躙って意味では映画や音楽の世界のほうがずっとひどい。

たとえば子供のころ父親に連れられて、シルヴェスター・スタローン主演の「コブラ」という刑事映画を見に行った時の話である。
本編「コブラ」の上映前、これに当てるような感じで公開予定のアーノルド・シュワルツェネッガー主演の刑事映画の予告編が流れた。
爆発シーン、カーチェイス、お決まりの派手な演出の後でスクリーンに映し出された邦訳タイトルは、「ゴリラ」(原題は「Raw Deal」)。
一瞬、映画館の中が静まり返り、そのあとで暗闇のあちらこちらから失笑が漏れた。
別にシュワルツェネッガーのファンではなかったけれど、子供心にもこれはひどすぎると思ったのを覚えている。
原題「Raw Deal」は直訳すると「不当な扱い」となるわけだけれど、この映画で一番不当な扱いを受けているのは、間違いなくタイトルである。

で、さらにひどいのが洋楽の邦題。
有名なところで行くと、
The Beatles「A HARD DAY'S NIGHT」⇒「ビートルズがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ! 」
とか、
AEROSMITH「Train Kept A Rollin'」⇒「ブギウギ列車夜行便」
とか、
Stray Cats「Rock This Town」⇒「ロック・タウンは恋の街」
とかね。
「担当者がかっこよくしよう(あるいはアルバムを売ろう)として頑張った結果、能力至らず失敗した」という感じがありありとうかがえて胸に痛すぎる。

あ、ついでに言うと、一言多い系というのも気になりますね。
Derek&The Dominos「Layla」⇒「愛しのレイラ」
とか、
Bon Jovi「Runaway」⇒「夜明けのランナウェイ」
とか、
Michael Jackson「Beat It」⇒「今夜はビート・イット」
とか。
ねえねえ、ほんとにその一言が必要かどうか、今夜はもう一度考えてみようよ。って、今や遅しのランナウェイ。

また一時期には、この日本的風潮を面白がってわざとふざけた邦題をつけたアルバムや曲があった。
代表的な例は、
Frank Zappa「THE MAN FROM UTOPIA」⇒「ハエ・ハエ・カ・カ・カ・ザッパ・パ」
CARCASS「Incarnated Solvent Abuse」⇒「硫酸どろどろ何でも溶かす」
などだけれど(CARCASSが代表的な例に上がってくるあたりは個人的な嗜好です)、ここまでぶっとんでいると、こちらも「あっそ」の一言ぐらいで軽く受け流せるので楽である。
(余談だけれど、ハエハエカカカは当時のキンチョールのCMのパロディだと思う。同じ五七調でいくならパが一つ足らないと思うんだけどね。あ、ザッパお得意の変拍子ってこと?)

などと思いつくままに変訳をあげつらって来たわけだけれど、上にあげた邦訳作品の大半は日本国内で結構な売り上げを上げているのである。
ロングランヒットとか爆発的セールスなんてのも少なくない。
ということは、もしかしたらわたくしの感覚が間違っているのだらうか。
出版社やレコード会社の担当者の策略こそが王道なのかもしれない。
そう考えると自信がなくなる。
このブログも先人の知恵をどんどん取り入れて、
「夜明けの高円寺は恋の町」
とか、
「鶏舎の中でつかまえて」
とか、
「ハエ!ハエ!ヤァ!は何でも溶かすゴリラ」
という感じに改名するべきなのかも知れない。

などと愚かしいことを考えながらスイカを食す夏の夜。のランナウェイ。

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