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インド思考停止。【2:ジャイプール編】

【2:ジャイプール編】

ジャイプールはデリーから車で約6時間ほど、南西約260kmの場所にあるラージャスターン州の州都である。
この街にはピンク・シティーという別名があるのだけれど、これは昔、イギリスの王子を歓迎するために何故か市街の建物をピンク色に塗って以来、なんか気に入っちゃったんだろうね、ずーっと街の建物をピンク色に塗ったくる習慣が残っているからだそうです。
なので、ピンク・シティーといっても別にキャッキャウフフ的な産業が盛んなわけではない。お間違いなきよう。

ちなみに、デリーを出てからジャイプールに向かうに道中、田舎になるに従ってだんだん動物の姿が増えてくる。
なんかインドと言うと、
「街中のいたるところで牛がモーモー言ったり、草食ったり、それを反芻したりと忙しく、おかげで交通渋滞が頻発している」
みたいなイメージがあったので、デリーでは路上に佇む牛の姿が見えなかったことにちょっとがっかりしていたのだった。
でもまあそこはやはりインド、田舎に進むに従って、実際に6車線道路の真ん中で牛がモーモー言っていたりするのである。
あと、何となくカルチャーショックだったのは、ラクダをけっこう頻繁にみること。しかもヒトコブラクダ。
そもそもインドでラクダというイメージがあまりなかったのだけれど、なんとなくヒトコブラクダは北アフリカと西アジア、フタコブラクダは中央アジアという曖昧な記憶があったので、ヒトコブラクダがあちこちで荷物を運んだり車を引いたりしているのを見て、ん?どうしてここにあなたが?と何度も問いかける羽目になった。
その他、野性猿とかリス、たまに象(もちろん飼われている)なんかも見かける。
インド象という分類があるくらいなので、まあ当たり前といえば当たり前なのだけれど、なんかインドの路上で象を見るっていうのもちょっと違和感がありますねえ。

あー、あとインド人がクラクション鳴らしまくるというのはほんとです。
超鳴らす。もう鳴らしまくる。
市街地なんかは道が込み合っているせいでひどい状態なのだけれど(下の動画参照)、郊外の広い道路に出てもこれがおさまらない。
ちょっと車を抜くときでもクラクション鳴らしちゃう。
なんだようるせーなー、と思いつつ窓の外を見ていると、前を行くトラックの後部にはほぼ100パーセントに近い確率で、「BLOW HORN(ホーンを鳴らせ!)」とか「HORN PLEASE(ホーンお願い)」という文字が派手な色で書かれているのですね。
ああ、求められてるんじゃ仕方ないよね…鳴らしちゃうよね…。
と、理解力のあるふりをして肯いてはみたものの、うーん、やっぱりわけがわからない。
眠れぬわたくしを乗せて、車は一路ジャイプールへ。


Delhi : cycle rickshaw
デリーのオールドバザールに向かう途中、サイクルリキシャー(人力三輪)から撮影した眺め。
まじビービーうるさい。現場にいると耳が痛くなります。


ちなみに、こちらがBlowHornと書かれたトラック。
インドはトラックが多いけど、ほぼみんなこんな感じです。
あと、最後の方でちらりと野良牛が出現。
(デリーからジャイプールへの道中)


大きな地図で見る
ちなみにジャイプールはここらへん。

■シティパレス
旧市街の中心にある宮殿。
ジャイプルの城郭都市を建設したマハラジャのサワーイ・ジャイ・シン2世によって1726年に建造されたとのことで、現在も敷地内にはマハラジャの子孫が住んでいるらしいです。
かんけーないけど、シンってインドのメジャーな名前なんですかね。
マンモーハン・シンって首相いたし、タイガー・ジェット・シンってインド人プロレスラーもいたしね。
インドメタシンとか薬に使われてるしね。
……。
…えー、というのは冗談で、インドメタシンはインドール環と言う有機化合物の構造を持っているためにそう呼ばれております。みんなの大好きなインドメタシンはインドとは特に関係ないので、お友達にも教えてあげようね!

ちなみにパレスの中は一部博物館の様になっているので、ぶらぶら見て回ることができます。

RIMG6106.jpg
緑がもさもさしていてかわいい。

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ここでもヒンズーとイスラムの建築様式混交が見られる。

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■ジャンタル・マンタル(Jantar Mantar:世界遺産)
この売れない芸人みたいな名前の遺跡はシティパレスの付属施設で、この旅で楽しみにしていた場所の一つ。
一見するとなんかイサム・ノグチの彫刻展覧会場みたいに見えるのだけれど、これらは全てアートじゃなくて天体観測儀なのです。
つまりこの場所全体が16世紀の天文台なんですねー。
すごい!かっちょいい!などと大興奮して見て回る。
マジで鼻血出ます。

RIMG6115.jpg
ね、ちょっとアートっぽいでしょ。
でもこれは占星術の為に十二宮の運行を図る観測儀で、ちゃんと12体、それぞれの方向を向いているのです。
ぱねぇ。

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こちらは同じ構造を持つ日時計。
上の写真で見えるU時の部分に目盛が刻んであり、そこに落ちた陰で現在の時刻を知ることができる。

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このでっかい窪みは、真中にあるマーカーを使って天体の運行を計測するための機械。
その精巧な作りとデザインに、しばし我を忘れて見入る。

RIMG6109.jpg
かっこいいので、もう一枚。
ここで昔の天文学者や占星術師が研究をしていたんだなあ、とか考えるだけで胸熱。

■風の宮殿(हवा महल , Hawa Mahal)
1799年、この街を治めていたラージプートの王サワーイー・プラタープ・シンによって建てられた建築物。
ここもシティ・パレスの一部で、5階建ての壁面には通りに面しているものだけで953の小窓があります。
宮廷の女性達は基本的に人に姿を見せられないので、この小窓から街や祭りの様子を眺めたそう。
小窓から入った風(ハワー)が涼しいので、風の宮殿(ハワー・マハル)と呼ばれているらしいっす(←モヤサマ風)。

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5階は階段があるだけの吹きさらし構造なので、窓の向こうに空が見えております。

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なんかキュートな作り。

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こうやって小窓から街を眺めていたのです。

■アンベール城(Amber Fort)
元々はアンベール王国の首都であった砦を、ムガル帝国司令官であったラージャー・マン・シンがいじくり倒し、その後も150年間にわたって改築が続けられたという巨大な城。
その眺めはとても美しく、そして王を失った全ての古城がそうであるように、どことなく物悲しい。
そういう雰囲気がとても好きです。

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長い長い城壁に囲まれた、非常に立派なお城。

RIMG6082.jpg
象に乗って入城することもできます。
石畳の雰囲気が重厚で良い。

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太陽の門をくぐって左手にある、一般謁見の間。
ここで一般人たちが「マン・シンさん、チィーッス」などといって頭を下げていたのだ。

RIMG6058.jpg
イスラーム美術の基本要素といえばアラベスク。
アラベスクと言えば、「60度に交わる3つの平行線群」ですね。
で、窓の格子も六芒星なわけです。

RIMG6055.jpg
きれいな庭。
直交座標もイスラーム建築の特徴ですね。

RIMG6048.jpg
象が、えっちらおっちら山を登る。

RIMG6084.jpg
猿がいたのだけれど、カメラを向けた途端に背を向けられた。

インド思考停止。【1:デリー編】

インドの空港に降り立った瞬間、独特の匂いがするという。

ある作家はその匂いを「熟れた果実の香り」と表現し、あるエッセイストは「人々のひしめき合う空間から発される、集合生命体としての体臭」と規定し、旅行好きの友人は単に「あそこ、カレーの匂いがする」と言った。
わたくしの友人が表現力に乏しいばかちんなのは仕方ないとして、どうやらインドと言う国はスパイシーな香り漂う不思議空間であるということらしい。
そういう話をあちこちで読んだり聞いたりして、長い間「ふーん、そんなものなのか」と思っていたのだけれど、よくよく考えてみるとすっごいウソ臭い。
その国独特の匂い?またあ。じゃあ何ですか?国境超えたら匂いが変わるんですか?
「オウフwww。拙者、先刻までスパイシーな印度の香りを感知しておりましたが、ふひひ、つい先ほどより車窓から流れ込む空気に濃密なバター茶の匂いが混ざってござる。よってここはwww!チベット自治区www!コポォwww」みたいな?
うっそー、うそだよー。そんなのおじさん信じらんない。
みんなかっこいいこと言おうとして、ちょいちょい話盛ってない?異国情緒の演出やりすぎじゃない?
考えれば考えるほど何だかどうにも怪しいので、わたくしはちょっくらインドに確かめに行ってくることにしたのであります。
コポォ。

------

そんな訳で、
「インド渡航経験者のスタイリッシュな虚言を暴く!」
という大志を胸に秘めたわたくしは成田空港の出国審査を終え、揚々とインド行きの機内に乗り込んだのだったけれど、そこに待っていたのは信じがたいほど卑劣な敵の罠だった。
落ち着いて聞いてほしい。
…すでに機内がインドくさかったのである。
わたくしが何を言っているのか、にわかには御理解いただけないと思う。
だがしかし、そこにはすでに「インドの匂い」としか形容の出来ない、独特のスパイシーな匂いが漂っていた。まだ日本国内なのに。離陸もしてないのに。
あるいは渡航費用をケチってJALではなくエアインディアにしたのがまずかったのかも知れないが、とにかく機内でこんな匂いを8時間も嗅がされていれば鼻が慣れてしまい、インドに着いて飛行機を降りても、そこに独特の匂いがあるかどうかなんてわからないに違いない。
なんたる狡猾な罠か。
完全に敵の術中に落ちたわたくしはもうテンションだだ下がりである。
不貞腐れた態度で飛行機のシートに身を沈め、
「あーあ、もうインド行くの止めよっかなー」
などと呟いてキャビンアテンダントにぎょっとされたりしながら、それでもわたくしを乗せた飛行機は定刻通り、西の空へと旅立ったのである。

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インドに向けて飛行中(でも機内はすでにインドくさい)。
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【1:デリー編】

それから8時間後の現地時間17時15分、わたくしは昨年7月にオープンしたばかりのインディラ・ガンジー国際空港第3ターミナルにいた。
そうして空気をくんくんしたり、念のため深呼吸などしてみたりしたのだけれど、やはり機内の匂いに慣らされているせいか、何の匂いも感じ取ることができなかった。
くそー、なんなんだよ。
わたくしだって、
「それまでは疑っていたものの、インドの空港に降り立った瞬間、そこには確かに濃密な果実の香りが漂っていた」
などとブログに書いてカッコつけたかっ…もとい、インドを旅した先達・諸先輩方の体験談に花を添えたかった。
あるいは最低でも予告通り、インド旅行経験者の虚言を暴いてやりたかったのである。
しかるに現実は!鼻まで馬鹿になった真正馬鹿が一人!インドの空港で!くんくんしたり深呼吸したりして!結果、何一つ得るものなし!
という暗澹たる結果に終わりました。
…そんな訳ですので、次回からは通常通り、高円寺の食べ歩きブログに戻ります。

………。
……。
…っていうのもなんかさびしいじゃない?
というわけで、インドで見てきた遺跡なんかをご紹介。



大きな地図で見る
ちなみにデリーはここら辺です。

■クトゥブ・ミナール(Qutub Minar , قطب منار :世界遺産)
奴隷王朝の建国者であるクトゥブッディーン・アイバクによって建てられた、モスク付属のミナレット(礼拝告知塔)。
高さは72.5mもあり、美しい彫刻と合わせて圧倒される。
このすぐ近くには、100mを大きく超える予定だった未完の塔、アライ・ミナールの土台なんかもある。

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クトゥブ・ミナール。
彫刻の精巧さには思わずため息が出る。

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周辺の遺跡。
インドではわりと多いのだけれど、ヒンドゥー様式とイスラーム様式が混在した装飾になっております。

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未完の塔、アライ・ミナールの土台。
よく見ると内部が二重構造になっているのだけれど、時節柄、なんとなく「炉心」という言葉が頭をよぎる。


■フマユーン廟(Humayun's Tomb , हुमायूँ का मक़बरा , ہمایون کا مقبره :世界遺産)
タージ・マハルのモデルになったともいわれる、ムガル帝国の第2代皇帝フマーユーンの墓廟。
確かになんかタージ・マハルに似てるような気がするなー。

aRIMG5908.jpg
入口からの眺め。

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どーん!って感じの安定感あるデザイン。美しいですねえ。

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建物の中央の玄室。
この白大理石でできた石棺は仮の墓(摸棺・セノターフ)だそうで、実際のフマーユーンの遺体を納めた棺はこの直下に安置されているとのこと。中央アジアの葬送に由来した形式だそうです。


■ラール・キラー(Lal Qila , लाल क़िला , لال قلعہ :世界遺産)
赤い城(レッド・フォート)あるいはデリー城とも呼ばれる、ムガル帝国時代の城塞。
毎年8月15日のインド独立記念日にはここで首相演説が行われるそうで、この時はその準備のため、内部に立ち入りができませんでした。
残念。

RIMG5935.jpg


■インド門と大統領官邸
おなじみのインド門ですが、これって慰霊碑だって知ってました?
第一次世界大戦で戦死した兵士を追悼するために造られたそうで、高さ42mのアーチには約8万5千人のインド人兵士の名が刻まれているとのことです。
で、ここをまっすぐ進むと大統領官邸があります。

RIMG5941.jpg
足元には「永遠の火」という炎が灯されている。

RIMG5949.jpg
大統領官邸の門。
もともとはイギリスが派遣したインド総督の官邸で、現在はプラティバ・パティルという女性大統領がお使いです。

RIMG5950.jpg
門の奥の眺め。
先日ムンバイでテロがあったばかりなので警備がピリピリしてるのかと思いきや、そうでもありませんでした。


■おまけ:インディラ・ガンジー国際空港第3ターミナル
まだ昨年の7月に出来たばかりの為、空港内は非常にきれいです。

aRIMG6373.jpg
出発ロビー。

aRIMG5860.jpg
到着ロビー。

RIMG6374.jpg
空港内トイレ入り口。
たしかにどっちが男性用でどっちが女性用か一目瞭然なんですけど…あの…そんなにガン見されると、正直入りづらいっす。

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ちなみに本エントリのタイトル元ネタは、勘の鋭い方ならおわかりでしょうが、下の2冊です。
インドに来るとみんな何かを考えちゃうみたいなのですが、わたくしはいつだって思考停止状態ですよ。
えっへん。

 

『センプレピッツァ(sempre pizza !)』

センプレである。
わたくしの得意なセンベロではなくセンプレである。
安くて本格的。おいしい。
素晴らしいと思います。

RIMG5827.jpg
Siciliana(シチリアーナ)、370円。

RIMG5826.jpg
Formaggi(フォルマッジ)、490円。

RIMG5825.jpg
手前:Zeppolini(ゼッポリーニ)、150円。生地に岩海苔を練り込んだナポリの郷土料理だそうです。
奥:Pollo(ポッロ)、230円。イタリア風唐揚げ。

RIMG5815.jpg


住所:杉並区高円寺北3-25-25 天名家ビル1F
category:イタリアン・フレンチ・欧風
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